善玉菌のエサになるオリゴ糖

善玉菌の働きを助ける菌があっても、元となる乳酸菌やビフィズス菌を増殖できないと役に立ちません。善玉菌は、糖類を栄養分として腸内の働きを活性化させます。糖類には、砂糖やグラニュー糖などさまざまなものがありますが、単糖類、2糖類とよばれる分子構造をしているものは、胃や小腸で分解されてしまうため、大腸まで届いて善玉菌のエサとなることができません。その点、オリゴ糖は、砂糖より分子が大きい多糖類であり、分解、吸収されにくいため、善玉菌が生息している大腸までしっかりと到達することができます。肉類のタンパク質やアミノ酸をエサとする悪玉菌と異なり、オリゴ糖は善玉菌のエサにしかならないため、オリゴ糖を摂取しても悪玉菌が増殖することもありません。

オリゴ糖をエサとして活性化された善玉菌は、乳酸や酢酸などの酸を生成するため、腸内を悪玉菌が生息しにくい弱酸性に変えることができます。また、生成された酸が腸を刺激してぜん動運動が促進されることによって排便が促され、便秘の症状を改善することができます。便秘が解消されると、腸内に腐敗した便が停滞することが少なくなり、悪玉菌が徐々に減少していきます。反対に善玉菌が増殖して腸内細菌のバランスが整い、理想的な腸内環境となるのです。

善玉菌の種類

腸内を善玉菌優位に保つことで便秘や下痢などの症状を解消したり、予防したりすることができます。善玉菌、これまでに約500種類ほどあることが確認されています。その代表格としてさまざまな商品が販売されているものに、乳酸菌とビフィズス菌があります。また、腸内でよい働きをする善玉菌を活性化させる菌を普段の食事から摂取することができます。納豆に含まれている納豆菌は、糖質やタンパク質を分解して消化を助けるため、腸内の腐敗便を排出するのに効果があると言われています。乳酸菌やビフィズス菌が多く存在する状況で納豆菌が役立つため、その元となる菌を増やすことが大切です。

酵母菌は、発酵する過程で資質や糖分、カロリーを分解してアミノ酸やクエン酸、有機酸や炭酸ガスなどの有益な成分を生成します。腸内で善玉菌を活性化させるだけでなく、老化の原因とされる活性酸素を抑える作用も期待できます。麹菌は、菌の中で生成されたタンパク質を菌の外へ分泌する機能に優れていると言われており、多種多様な酵素タンパク質を生み出すことができます。これら、納豆菌や酵母菌、麹菌は糖化菌と呼ばれているもので、変性や熱の影響を受けることなく、安定した状態で腸まで届くことができるとして有益であるとされています。

 

悪玉菌が増える理由

腸内には、数百種類、週百兆個という規模で1㎏以上の腸内細菌が生息しています。健康や便秘の解消に欠かせない善玉菌とともに有害物質を発生させる悪玉菌が共存しており、大腸菌やクロストリジウムは、その代表的なものです。悪玉菌には、大腸や直腸のなかで腐敗物を腸内に溜め込む働きがあります。善玉菌の働きを抑制するため、腸内環境が悪化して便秘や下痢の症状を起こしてしまいます。生まれたての赤ちゃんの腸内細菌の99%以上は善玉菌ですが、生後3日目から早くも善玉菌の量が減少していきます。成長するにつれて、免疫機能の低下、経口摂取する食品の影響を受けることで、善玉菌が減少し、悪玉菌が増えていくことになります。

大腸がんは、以前は欧米人特有の疾病と言われていましたが、現在では、日本人のがんの多くを占めています。日本人の食の欧米化が大きな原因と考えられており、なかでも肉類がその元凶として大きな影響を与えていると言われています。肉類は消化、吸収するのに時間がかかり、長く腸に留まって腐敗した便となり、悪玉菌のエサとなります。肉類に含まれるたんぱく質やアミノ酸をエサとして活性化された悪玉菌が有毒物質を放出することからゲイ理や便秘といった症状を引き起こすのです。穀物、野菜、魚が中心であった日本人の食事が変化し、食物繊維も不足するようになったことで、腸内の腐敗物を吸収して排出することができなくなり、さらに腸内が悪玉菌優勢の状態になってしまいます。ジャンクフードや肉類などに偏った食生活は腸内バランスを崩す大きな原因と言えるでしょう。

善玉菌と悪玉菌のバランス

便秘の解消や予防に必要不可欠となるのが腸内環境を整えることです。どんな人の腸にも善玉菌と悪玉菌は生息しています。常にバランスを保ちながらいい関係で共存しているわけではなく、隙あらば勢力拡大ができないかともくろんでいる状況にあります。善玉菌、悪玉菌、ともにさまざまな種類があるため、同じ菌同士で戦うこともあります。種類ごとに密集した縄張りである腸内フローラを隙間なく作っており、片方が増えるともう片方が減るという状況が常に繰り返されています。また、腸内の菌の70%を占める日和見菌も存在しており、腸内フローラが不安定となり、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れた際に、勢力を誇示してきます。腸内フローラの優勢な方と同様の働きをする性質があるため、悪玉菌が優勢な状態になると、その働きをサポートするようになります。

善玉菌や、生命や健康を維持するために必要となる物質を産生しており、代表的なものにビフィズス菌があります。乳酸菌や納豆菌、酵母菌や麹菌なども善玉菌の仲間であり、発酵食品が体にいいと推奨される所以がここにあります。善玉菌は、ビタミンやホルモンを産生するほか、消化吸収や脂質代謝、免疫の活性化や腸のぜん動運動などにも大きく関わっています。一方、悪玉菌は、腸内で有害物質を産生し、長い年月をかけて腸壁の細胞を傷つけます。また、悪玉菌は腸内をアルカリ性にする性質があるため、免疫機能も下げてしまいます。いかに善玉菌優位の腸内環境を維持するかが便秘の解消や健康の維持の鍵を握っていると言えるでしょう。